禅宗って一体何?どんな宗派?どんな教え?気になる疑問を大調査

禅宗という宗教のことを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。それが宗教の一つだということを知っていても、詳しく説明することができる人は少ないと思います。今回は禅宗の歴史とどんな教えを説いているのか、そして身近なお葬式のマナーについて見ていきたいと思います。

 

禅宗って何?

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禅宗とは一体どんな宗教なのでしょうか。まず禅宗が誰の手によって作られたのかを簡単にまとめてみました。

 

禅宗とは達磨が開いた宗派のこと

禅宗とは、禅宗の祖と言われる達磨が、インドから中国へ伝えた座禅を使って修業をする仏教です。日本では臨済宗、曹洞宗、黄檗宗などの宗派があります。

 

達磨ってあのダルマ?

達磨というとまず思い浮かぶのは、願い事がかなったら目を書き入れる丸いダルマではないでしょうか。実はあのダルマは禅宗の祖である菩提達磨という人がモデルなのです。達磨は南インドの生まれで、6世紀の前半に禅を中国へと伝えました。

 

禅宗の歴史

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禅宗は一体どうやって日本へと伝わったのでしょうか。次は禅宗の始まりから日本へと伝わってきた歴史を順を追って見ていきたいと思います。

 

仏教の始まりはインドから

5000年近く前のインドには、樹の下などで正座をして瞑想をするヨーガと言われる修行がありました。このヨーガでは、心身統一の境地として「三昧(Samadhi)」というものがあり、2500年前に仏教の開祖であるゴータマシッダールタがこの三昧の境地で覚者(ブッダ)として覚醒したと言われています。このブッダの教えを伝えるのが仏教です。

 

インドから菩薩達磨が中国へ伝えた禅

6世紀前半、ブッダの教えをインドから中国へと伝えたのが菩薩達磨こと、達磨でした。もともと仏教では座禅は大切なものとされていましたが、中国の唐代末期に座禅を修行の中心として行う仏教のことを「禅」と呼び始めたのが禅宗のはじまりです。

 

禅宗は中国では流行らなかった

5世紀の末、ブッダの弟子だった達磨は中国に渡り、少林寺拳法で有名な嵩山少林寺で座禅をはじめました。故事の「面壁九年」はこの達磨が壁に向かって座禅を組んだことから出来たと言われています。この後、達磨の弟子たちが禅の教えを受け継ぎ、中国北部では「北宗禅」、南部では「南宗禅」として禅は中国に広がりましたが、次第に北宗禅は衰退し、南宗禅のみが発展していきます。しかし中国では支配層が宗教を保護するということがなかったため、今では南宗禅も殆ど見られません。

 

日本の禅宗の始まりは鎌倉時代

日本へ禅宗が伝わったのは鎌倉・室町時代でした。飛鳥時代や奈良時代にはすでに禅の教えは日本に届いていたのですが、禅を宗教として日本に持ち込み、定着させたのは臨済宗の開祖と言われる栄西禅師だと言われています。栄西禅師が臨済宗を日本に持ち込んだ30数年後に道元が曹洞宗を開き、江戸時代には隠元禅師が黄檗宗を開きました。

 

禅宗には大きく3つに分けられる

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禅宗には臨済宗、曹洞宗、黄檗宗の3つの宗があります。黄檗宗は中国では臨済宗に含まれていますが、日本の臨済宗とは内容が異なっていたため、日本では独立した宗になっています。今回は臨済宗と曹洞宗について見て行きたいと思います。

 

栄西が開いた臨済宗

臨済宗は栄西が宋から日本へ伝えた禅宗の教えです。それでは臨済宗の特徴をまとめてみたいと思います。
・宗祖  明庵栄西(現在の教義は江戸時代の禅僧白隠慧鶴の教義が元になっています)
・本尊  釈迦如来(寺院によっては他の如来や菩薩の場合もあります)
・経典  なし(慣習的に般若部経典や臨済録、碧巌録を重んじます)
・総本山 なし(臨済宗は現在14の宗派に分かれており、各派それぞれに本山がありますが、総本山はありません)
・臨済宗では施餓鬼会をよく行います。これは釈迦の弟子である阿難が禅定で餓鬼に供養を求められたという伝承が由来になっています。

 

道元禅師と瑩山禅師が開いた曹洞宗

曹洞宗は道元禅師が日本へと伝え、瑩山禅師が今のような形にしました。では、臨済宗の特徴をまとめてみたいと思います。
・宗祖   高祖 道元禅師
太祖 瑩山禅師(道元禅師の伝えた曹洞宗の弱い部分を瑩山禅師が補う形で今の曹洞宗が作られました)
・本尊   釈迦如来
・経典   「修証義(しゅうしょうぎ)」(道元の「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」を中心に、明治23年に編纂されたもの))その他に般若心経、観音経、寿量品(じゅりょうほん)なども使われます。
・総本山  道元が開いた福井県永平寺と瑩山が開いた神奈川県総持寺があります。
・永平寺では修行に関する行事が行われ、総持寺では一般参拝者向けの行事が行われています。

 

禅宗の教えとは

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禅宗はその名の通り座禅を中心とした修行をしていますが、臨済宗と曹洞宗では座禅への考え方が違います。臨済宗では「看話禅」という修行をしており、曹洞宗では「黙照禅」という修行の仕方をしています。

 

臨済宗の教え

臨済宗では師が弟子に公案という問題を出し、弟子は座禅をしながら一心に公案について思いを巡らせる「看話禅」という修行の仕方をします。公案というのは悟りを開いた先人たちが、修行で得た悟りの境地を言葉にしたもので、理論では決して解けない悟りを得るための道具です。
臨済宗では人にはもともと仏としての本性が備わっているとし、座禅や公案などを行うことでその本性を自覚するという考えを持っています。

 

曹洞宗の教え

曹洞宗では座禅をすることこそ悟りだという考えから、ひたすら座禅を行う只管打坐という修行をします。このことを曹洞宗では「黙照禅」といいます。曹洞宗には生活のすべてが修行という考えがあり、食事や入浴などにも細かい規則があります。
曹洞宗の教えでは、人として生を受けることは仏心(ぶっしん)を与えられてこの世に生まれたことだとしています。仏心とは自分の命だけではなく、他の人々の物や命を大切にする他人への思いやりのことです。また、日々の生活の中での行い一つ一つを大切にすることで心身が調えられ、その結果私達の中にある仏の姿が明らかになると教えています。

 

禅宗のお葬式マナー

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お葬式に出席した際に皆さん迷うのは宗派によって違うマナーではないでしょうか。禅宗のお葬式は臨済宗か曹洞宗かによって内容が変わってきます。次は臨済宗と曹洞宗のお葬式のマナーについて見ていきたいと思います。

 

臨済宗のお葬式マナー

臨済宗ではお焼香の際は亡くなった方との関係の深い人からのお焼香になります。
焼香は基本的に1回のみです。
焼香の方法としては、
1.焼香台の手前で遺族に1礼
2.焼香台に近づいて合掌と礼拝をしてから、抹香を右手の親指、中指、人差し指でつまんで香炉にくべる
3.仏前で手を合わせ、礼拝の後に遺族に1礼で終了
注意点は、抹香をつまんだときに額にいただかず、そのまま香炉にくべることです。
お線香の立て方も宗派により違いがあります。臨済宗の場合はお線香は1本だけで、右手で線香を持ち、左手であおいで火を消します。人間の息は不浄なので、口で吹き消さないようにしましょう。
また、臨済宗ではお経の後半で「喝!」とお坊さんがいうところがあります。これは故人のこの世への未練を断ち切り、安らかに仏の道へ誘う意味があります。

 

曹洞宗のお葬式マナー

お焼香の順番は臨済宗も曹洞宗も同じく関係の深い人からになります。曹洞宗の焼香は基本的に2回です。
焼香の方法は、
1.仏前で仏像、お位牌に向かって合掌し1礼
2.右手の親指、人差し指、中指で抹香を一つまみし、左手を右手の下に添えて額にいただく
3.香をくべる
4.2回めは1回目よりも少なめに抹香をつまんで、そのまま香炉にくべる
5.仏像やお位牌などに合掌、1礼して終了
曹洞宗のお線香も1本のみです。臨済宗のときと同じように右手で持って左手であおいで火を消しましょう。
曹洞宗の場合、他の宗派よりも儀式の数が多いので葬儀が少し長くなります。また、曹洞宗の場合、数珠は宗派にこだわらずに使える略式の数珠を使うのが一般的です。

 

まとめ

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禅宗の歴史や宗派の違いはいかがだったでしょうか。お葬式だけではなく、最近は禅宗のお寺でも一般人向けに坐禅会が行われているところが多くなってきてます。身近な禅の教えを体験してみるのもいいのではないでしょうか。

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