最高裁判所を徹底解説!最上位の法の執行担当者の役割とは?

重要かつ大きな事件のニュースで見聞きすることが多い「最高裁判所」。裁判所の最上位に立つ最高裁判所を、司法の役割から順を追って見ていきましょう。

 

司法の役割

裁判

日本の国の権力は、司法権・行政権・立法権の3つに分かれています。「三権分立」ですね。フランスの啓蒙思想家・モンテスキューが記した「法の精神」で説いたことに始まります。「三権が相互に抑制し合い、均衡を保っている」状態です。

 

三権分立の中の司法

「司法」は、法律に基づいて裁判を行います。裁判を行う権限・司法権は裁判所が持ちます。「行政」は、法律に基づいて政治を行い、政治を行う権限・行政権は内閣が持ちます。「立法」は、法律作成を行い、法律を作る権限・立法権は国会が持ちます。

 

上記3権は互いに関連して成り立ち、抑制し合っています。「立法」は、「司法」に対して裁判官に対する弾劾裁判、「行政」に対してその審査を行い内閣総理大臣の不信任案提出・指名を行います。「行政」は、「司法」に対して最高裁判長・裁判官の指名、「立法」に対して衆議院の解散・国会の召集を行います。「司法」は、「行政」に対してそ命令や処分の違憲・違法審査、「立法」に対して国会の立法に対する違憲立法審査を行います。これらの相互抑制は権力の乱用を抑え、国民の権利や自由を守ることにつながります。

 

国民と司法の関係性

他方、国民は司法に対して「国民審査権」という主権を持っています。衆議院議員選挙と同時に行われる「最高裁判所裁判官の国民審査」で最高裁判所の裁判官を辞めさせることができます。

 

三審制における最高裁判所

家庭裁判所

裁判所には大きく分けて5つの裁判所が存在します。ここでは「三審制」に関連する3つの裁判所を取り上げます。

 

最高裁判所とは

司法権の最高機関として機能し、全国で1つだけ、東京に置かれている裁判所です。裁判所の最上位に位置します。地方裁判所で出た判決に不服がある場合は、高等裁判所に控訴し、高等裁判所で出た判決に不服がある場合は最高裁判所に上告します。このように「審級」という段階を踏んでいき、上訴されてきた事件の最後の審級を担当するのが最高裁判所のため、終審裁判所とも呼ばれます。

 

最高裁判所の裁判官は15名で構成され、内閣が指名し天皇が任命する長官1名と、内閣が任命する判事14名から成り立っています。15名全員で審理が行われる大法廷と5名で行われる小法廷(第1~第3)があります。このうち、大法廷で行われるものは法律で定められています。法令が憲法に違反したり、過去の最高裁判例に反している可能性があるなど、世間に広く影響をもたらしかねない重大な事件が該当します。全ての裁判所が持つ法律や政令に対する違憲立法審査権においても、最終的な審査権を持つのが最高裁判所なのです。

 

高等裁判所とは

下級裁判所の1つ、高等裁判所は、全国の大都市8か所に置かれています(東京都・大阪市・名古屋市・広島市・福岡市・仙台市・札幌市・高松市)。他にも、必要に応じた支部も置かれています。高等裁判所では地方裁判所で下された第一審判決に対する控訴審が主に行われています。高等裁判所の裁判官は、内閣が任命し天皇が認証する長官と、判事から成り立っています。選挙に関する行政訴訟や内乱罪等に関する刑事事件について,第一審裁判権を持っているのも高等裁判所です。

 

地方裁判所とは

同じく下級裁判所の1つ、地方裁判所は、各都道府県(北海道は4つの管轄区域に分割)の県庁所在地、計50か所に置かれ、支部も置かれています。地方裁判所は原則として第一審の審理を行います。簡易裁判所の民事裁判の判決に対する控訴事件についても裁判権を持っています。審理は、裁判官が1名の単独制か裁判官が3名の合議制のどちらかで行われます。

 

地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所の相違点

日本の司法は前述の「審級」という段階を踏む「三審制」を用いています。しかし、地裁・高裁で行われる裁判と最高裁で行われる裁判は訴訟に対する判断の扱いが異なります。地裁・高裁で為されるのは事実と法律の両方から審理を進める「事実審」で、最高裁ではそれまでの事実を変更せずに法律面に限って審理する「法律審」です。また、上告するには上告理由を満たしている必要がありますが、条件を満たしていないとの判断を受け上告が棄却されることがほとんどです。上告理由とされるのは、原判決の憲法解釈の誤り・憲法違反・判例違反(以上、刑事事件)、憲法解釈の誤り・憲法違反・法令違背(以上、民事事件)と、全て法律に関係する事柄です。

 

身近に感じる最高裁判所

東京都千代田区にある最高裁判所
東京都千代田区にある最高裁判所

難解な漢字・語句が並ぶ世界に感じられますが、最高裁判所や法律を知るためにも、実際に足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

見学ツアーで実感してみる

最高裁判所では、大法廷を見学できる完全予約制のツアーを開催しています。学校の社会科見学以外で見学できるのは、貴重な経験になるのではないでしょうか。日程や対象年齢、人数によりコースの違いはありますが、昨今話題になっている「大人の社会科見学」にはもってこいの場所です。

裁判所のウェブページによると、見学するために電話による事前予約が必要です。見学日の2週間前から前日までに済ませます。また、見学当日は15時30分に最高裁判所の指定された門に集合、セキュリティチェックを受けて15時35分頃に見学開始となります。裁判所の事務に支障が無い日に実施されるそうなので、裁判所のウェブページの確認が必須になります。

http://www.courts.go.jp/

 

裁判を傍聴してみる

実際の裁判を傍聴することもできます。開廷期日はネットで閲覧できますが、裁判を傍聴する方法は、電話による問い合わせが必要になるため、こちらも裁判所のウェブページ確認が必須になります。

 

まとめ:最高裁判所は、剣と天秤をもつ正義の女神のもとで

裁判所

最高裁判所の館内に佇む「正義の女神像」。これはギリシャ神話に出てくる法の女神・テミスに由来するものであると言われています。右手には「正邪」を断ずる剣を掲げ,左手には「衡平(こうへい)」を 表す秤を持っています。 女神が目を閉じているのは外見に惑わされず言い分に耳を傾けるため。権力の乱用を抑え国民の権利や自由を守るために、最高裁判所をはじめとする司法は、司法としての分を果たしています。