議院内閣制ってどういう仕組み?今更聞けない制度を詳細に解説!

学生の頃に社会の授業で一度は聞いたことがある議院内閣制。説明しろと言われてもなかなか難しいですよね。今回は今さら聞けない議院内閣制について見ていきましょう。

 

ざっくり解説!議院内閣制ってどういうものなの?

議院内閣制とは一言で言ってしまうと「国会の信任を受けて内閣が存在し、内閣は国会に対して連帯責任を負う制度」なのです。

 

国会から選ばれた内閣が、国会からの信頼を受けて仕事をする制度


議院内閣制を説明するには、まず内閣がどうやって選ばれるのかを知ることから始まります。内閣とは内閣総理大臣と閣僚(国務大臣)によって成り立っています。そして憲法により、内閣総理大臣と国務大臣の過半数は、国会議員の中から選ばれなければならないということが決まっているのです。

つまり、国会議員の中から選ばれた内閣は、国会に出席している議員から信頼を得て仕事をしているということになります。そのかわり、内閣は国会に対して連帯責任を負います。この国会議員が内閣官僚を選び、国の運営を託す制度のことを議院内閣制と言います。

 

議院内閣制の歴史って?

大日本帝国憲法/Wikipedia参照

たくさんの国で使われている議院内閣制はいつ頃から始まったのでしょうか。その歴史を見てみましょう。

 

明治憲法では軍が政治の実権を握っていた

明治憲法では、内閣総理大臣は重臣たちの助言に従って天皇が任命し、任命された内閣総理大臣は他の大臣を任命するという制度をとっていました。しかし軍部大臣は現役の大将、中将しか大臣になることは出来ないという制度(現役武官制)があり、現役武官は天皇にのみ任命権があったので、内閣は軍部大臣の任命にかかわる事はできませんでした。その上、当時の内閣総理大臣の地位には今のような権威がなかったため、内閣を組織するために軍部の合意が必要になっていました。この事により軍部が気に入らない内閣を組織することが出来ず、軍が日本の政治の実権を握っていました。

 

第二次世界大戦後に改定され、今のような議院内閣制になった

第二次世界大戦後、GHQは大日本帝国憲法についての調査をしました。そしてGHQから日本政府へと提案された憲法改正案が以下のとおりです。

1.立法部は1院でもいいが、全議員が公選により選ばれること。

2.大臣は議員でなくてはいけない。

3.内閣は国会に責任を持ち、不信任決議案が可決された場合、解散すること。

4.内閣の構成員の任命は国会にあること。

このGHQの提案をもとに今の日本国憲法が改正され、今の議院内閣制が生まれたのです。

 

一元主義型議会内閣と二元主義型議院内閣制って何?

議院内閣制には一元主義型議会内閣と二元主義型議院内閣制という種類の違うものがあるのをご存知ですか?一元主義型議会内閣とはウエストミンスター・システムとも呼ばれるもので、国王や大統領は形式上のもので大臣の任命権を持っていません。首相は議会の多数派の党首が自動的に任命されます。一元主義型議会内閣の場合、内閣が責任を負うのは議会に対してのみです。それに対して二元主義型議院内閣制では、議会の信任を受けた大臣が、国王や大統領などの君主によって任命され、行政権を行使します。二元主義型議院内閣制の場合は内閣は国王や大統領と議会の両方に対して責任を負います。

 

一元主義型議会内閣制を使っているのはイギリス・フランス(第三、第四共和制)・日本など

 

現在一元主義型議会内閣を使っているのは、イギリス、フランス・日本・ドイツ・スペイン・スウェーデン・オランダなどです。これらの国は大統領や君主などは儀礼的な役目のみで、行政権は内閣が持っています。

 

二元主義型議院内閣制を使っているのはフランス第五共和国など

二元主義型議院内閣制を使っている国は、フランス第五共和国などになります。議院内閣制を採用していると同時に、大統領が内閣よりも強い権限を持っている半大統領制の国で多く使われています。

 

議院内閣制の反対は大統領制


議院内閣制の対になると言える行政の仕組みは大統領制になります。大統領制とは、国家元首を議会とは無関係ない国民が選挙によって選ぶ制度です。大統領制では、大統領は非常に強い権限を持ち、議会に対して責任を追わないのが特徴です。大統領制を使っているのはアメリカ・フランス・ブラジル・韓国・インドネシア・フィリピンなどになります。

 

議院内閣制のメリット・デメリットとは?

多くの国が採用している議院内閣制ですが、一体どんなメリットとデメリットが有るのでしょうか。

議院内閣制のメリットとデメリットをいかにまとめてみましたので見てみましょう。

 

議院内閣制のメリット

議院内閣制のメリットは以下のとおりです。

・安定した政権運営ができる

国会議員が首相を選ぶ議院内閣制では、国会の中で多数派の派閥が推している人が通常首相になります。その結果、国会の多数派の派閥=与党になるので安定した政権運営ができると言えます。

・首相を任期途中でも解任することができる

議院内閣制には、首相を任期途中でも解任する権利が国会にあると定められています。例えば、首相に不満がある議員が与党よりも人数を集め、多数派になった場合、内閣を不信任にして新しい内閣を作り直すということが出来るというわけです。

・与党と野党が分かれているため、チェック機能が働く

内閣は国会議員から選出されると書きましたが、多くの場合、官僚は与党から選出されるため、野党には内閣を弁護することで得られるメリットはありません。ですので、チェック機能がしっかりと働きます。

 

議院内閣制のデメリット

・少数派の政党が乱立した場合、与党が過半数に達しない場合がある

国会内で少数派の政党の数が増えてしまった場合、多数派が過半数に達しない場合があります。実際にベルギーで、2011年に少数派の政党が増えすぎたため、話し合いがうまくまとまらずに正式な政権が206日間も不在になってしまったことがありました。

・国民は直接首相を選ぶことが出来ない

大統領制と違い、議院内閣制では国民が直接首相を選ぶことは出来ません。国民は国会議員を選び、国会議員は自分の党の党首、代表を首相に選ぶというのが今の日本の首相の選び方です。

 

国会からなる議院内閣制

議院内閣制とはどんなもので、内閣とどんな関係があるのかわかりましたか?普段生活する上ではあまり馴染みのない国会や内閣を知ることで、少しでも政治に興味を持っていただけると嬉しいです。今まで何気なく見ていたニュースが少しでも興味のあるものに変わるといいですね。

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